気持ち悪い人。

痛い、寂しい、つらい、嫌い、気持ち悪い、殺してほしい。

いつも寝る前に考える言葉。

気がつくと殺してって言っている。

別に命を絶ちたいわけじゃない。何も自殺したいとかそういうことじゃない。

でも殺してほしい、嫌な自分を抹殺したい。

 

あるべき自分と今の自分が離れすぎている。

享受したものに対して授与したものが少なすぎる。

幸せを幸せとわかっていない自分が憎い。

殺してほしい。今の自分はあるべき自分じゃない。殺してほしい。

あるべき姿になれなければ俺は借金を背負ったままだ。

心がくすんでいる、これだけ与えられているのに、淀みきっている。

 

吐きたい。

 

気持ち悪い。

自分を表す一言を選べと言われたら俺はたぶん「気持ち悪い」を選ぶと思う。

こんなに吐き気を催す人間いない。

嘘と偽り、怠惰で軟弱。主役でも悪役でもモブでもない。

存在が無い、あるけれど無い、矛盾という名の気持ち悪さ。

気持ち悪い。

 

こんな人間が何かを求めているというだけで気持ち悪い。

求められるわけがない。求めることが許されるのは与えているものだけ。

 

彼女は主人公だった。間違いなく世を救う一人だった。

輝いていた。いつも傷だらけだったけど、それも誇りに見えた。

美しかった。ただ美しかった。生き様がかっこよかった。

そんな綺麗な人に何故俺が近くにいるのだろう。

どこかに消えたほうがいいんじゃないか。去ったほうがいいんじゃないか。

 

でもそれも怖い。できれば近くにいたい。求めてしまう。

気持ち悪い。気持ち悪い人間なのに。

だから、付かず離れず、彼女の幸せを願うことを徹底する。したい。

そうであるべき、べきなのに。

女々しい。するべきことができない。

 

最悪だ。

いっそ本当に消えてしまえば締めとして恰好がつくのだろうか。

でも、もちろん、そんな勇気もない。

 

ごめんなさい。許してください。ごめんなさい。