【キモいので閲覧注意】門も締まる時間に狭いキャンパス通路をハグで塞ぎカップル

どう考えても、あの「門も締まる時間に狭いキャンパス通路をハグで塞ぎカップル」のせい。マジで。もやもやしたものが収まらない。ハグ。んんん…。

 

事の発端は今日の昼。父親に任されていたことを失敗し、父にガッカリされ、あげく授業で大学に行かねばならなくなったせいで、その後始末を母と妹に任せることになり大変気分が落ち込んでいた。

ただでさえ最近やるべきことをできておらず、ゼミグループにも内定者グループにも、サークルにさえ貢献できていないと、気分が落ち込んでいた今日この日この結末だ。

中々に自信を無くし生きていた中でこの失態は結構響いた。二人に申し訳ないし、「そんなこともできないのか」と言われているような気がした。

 

いざ学校に行ってみれば、水爆実験のせいで放射能被害に苦しんだマーシャル諸島の人の話、不適切画像で弱みを握られいじめられていた旭川の女学生が自殺した話など、あまりの現実に心を痛めた。吐きそうだった。

なんだか、悲しくなった。

自分が当たり前のように苦しむ人がいる世界を肯定している加害者であることにも、その被害を一切受けずにのうのうと生きていながら尚幸せを恒久的に享受していることを自負できていないことにも、自分が幸せな一方で他人を不幸にしたことがある事実にも、失望した。

昼の事件も相まって、自分の存在が気味の悪いほど嫌になった。胃の中に黒いスライムみたいなものがある、絶妙な気持ち悪さがあった。

 

その帰りにあのカップルだ。何の気兼ねもなく(というか俺の足音聞こえてたろ)ハグしていたカップルの隣を通り過ぎた。小走りで。なんか邪魔している気がして申し訳なかったし。というかあの狭い道で彼らをギリギリで躱していることに罪悪感を感じたし。

でもそのシーンが自分の脳裏から離れなかった。

人肌に触れ安らいでいるという事実が気になった。周りは気にせず彼らの世界で安息を得ていることが羨ましかった。

自分もそうだったら今のこの気持ちは無くなっているんじゃないか。そんな風に考えると急に欲する気持ちが湧いた。触れることで安心したい。自分が存在していることを確認したい。空の空間を埋めたい。自分が安心することができたなら。スライムを消したかった。吐き出しそうな気味の悪さを無くしたかった。

 

電車に入ってイヤホンを繋いで、頭の中を落ち着けた。疑似的に自分だけの空間を作りたかった。でもそのせいで、いやそのお陰で段々と自分の愚かさに気づいた。

何故自分の安心のために他人に触れたいなどと思ったのだろう。自分のためのハグは相手にとってどれほど迷惑なことか。自分は良くても、誰かはわからないがその「相手」は何を思うのだろう。それが仮に「彼女」という属性の持ち主であったとしても嬉しいとは限らない。というか自らの安心のためにするハグに相手にとって一体何の価値があるのか。一方的で、高圧的で、自己中心的な実に気味の悪い考え。気持ち悪い。気持ち悪い。

 

お陰様で吐いた。自分が気持ち悪かった。余計に嫌な気分になった。ハグで塞ぎカップルは悪くない。彼らを見てしまうタイミングがいけなかった。気持ち悪い心を持っている自分がいけなかった。

でも知らない。今日はハグで塞ぎカップルのせいだ。もやもやが収まらない。理性と感情が反していることがまた気持ち悪い。気持ち悪い。

 

 

 

 

 

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